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| 躍動感のある踊りで観客を魅了した謝珠栄振り付けの「AKURO」(相澤裕史撮影) |
■審査評 萩尾瞳
音符が弾(はじ)ける。そんな振り付けで、謝珠栄は早くから注目された。振付家として30年、夢の遊眠社からブロードウェー・ミュージカルまで活躍の幅も広い。スピード感とパワーで魅(み)せる振り付けが変化を見せてきたのは、自ら主宰するTSミュージカルファンデーションで演出も手がけ始めてからだ。独特のリズム感はそのままに、ドラマとキャラクターに目配りの利いた振り付けへ、深みを加えてきたのだ。
振り付けがキャラクターを語り、ドラマを紡ぐ。それがよく表れたのが、『AKURO〜悪路』再演舞台である。大和朝廷に支配される蝦夷(えみし)の抵抗と哀(かな)しみを綴(つづ)った物語は、振り付けの丁寧な洗い直しによって、作品の芯が直球で観客の心に響くものとなった。ドラマが、まさにダンスで運ばれたのだ。同年、彼女は新作、再演を含めいくつもの振り付けを手がけている。どれも印象的ななかで、分けても『AKURO』の舞台にあふれた鮮烈なダイナミズムは、振付家としての成熟を印象付けるに十分なものであった。
【しゃ・たまえ】 兵庫県出身。宝塚歌劇団を経て振付家。1986年にTSミュージカルファンデーション設立。演出でも活躍する。58歳。
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