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2009年6月12日(金) 黒田東彦 アジア開発銀行(ADB)総裁
「アジア内需喚起を」 黒田ADB総裁がYIESで講演
講演する黒田東彦総裁
アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は12日、東京の東京会館で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演し、「アジアは、欧米市場に過度に依存した成長から、国内やアジア地域の需要を高める成長に転換していくことが必要だ」と述べ、内需を喚起して国内経済を活性化する新たな成長モデルを目指すべきだと訴えた。 黒田総裁は、家計部門の過剰な貯蓄を減らし、医療や教育などの制度を整備していくべきだと指摘。中小企業やサービス業の活性化を図ること、低炭素型の経済への転換も大事だとの認識を示した。 さらに「アジア全体の成長のためには、低所得国への支援が重要だ」と述べ、ADBが低所得国を対象に道路や水道などの整備を進めるための無償援助や低利融資を積極的に行っていく考えを強調した。アジア経済については「2009年中にかなりの国が最悪期を脱するだろう」との見通しを示した。 黒田総裁講演の要旨
欧米経済の回復については慎重な見方だが、アジアについては比較的楽観的な見通しを持っている。アジアはサブプライムローン関連の証券化商品の保有が少なく、今回の金融危機による直接的な影響は限定されている。中国は大規模な財政刺激策の効果もあり、すでに最悪期を脱したとみていい。2009年はマイナス成長の国が多いが、アジア全体では3・4%のプラス成長を見込んでおり、10年は6%に戻るだろう。 ただ、中長期的に成長が続くかどうかは、慎重にみている。米国への輸出に依存した形の成長は不可能だ。国内やアジア域内で消費拡大や投資促進を図る経済構造に変えていく必要がある。域内での貿易を促進することが、域内各国に利益をもたらす。アジア各国の地域協力の一層の強化が今こそ必要だ。 今回のような経済危機では、各国政府は教育や医療サービスなどの歳出を増やし、特に低所得国を支援していく必要がある。ADBはそのための支援を強化していく。 (2009年6月13日 読売新聞)
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