第5回全国学生英語プレゼンテーションコンテスト受賞者が決まりました(2016年12月15日)

英語力だけでなく、論理的な思考や説得力などを、画像や映像を交えて競う「全国学生英語プレゼンテーションコンテスト」(主催・神田外語グループ、読売新聞社)が3日、東京・千代田区のイイノホールで開かれ、全国の大学、専門学校など149校、過去最多の699人の中から受賞者が決まりました。

■受賞者は次の通り(敬称略)
▽文部科学大臣賞(最優秀賞)
 佐藤圭(けい)(横浜市立大3年)
▽優秀賞(個人の部)
 森原佳歩(神戸大1年)
▽同(グループの部)
 坂寄妃奈子(青山学院大3年)
 田島ジョセフ勇気(同)
▽インプレッシブ賞(個人の部)
 富(とみ)勘四郎(関西大3年)
▽同(グループの部)
 澤山未那(近畿大4年)
 佐藤穂波(同)

主催:
神田外語グループ、読売新聞社
後援:
文部科学省、外務省、米国大使館、日本政府観光局、人と防災未来センター、国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団体連合会、東京都専修学校各種学校協会、全国外国語教育振興協会
協賛:
共立メンテナンス、イオン、フジタ、みずほ銀行、三菱商事
特別協力:
全日本空輸、AOKI、Blippar
協力:
観音温泉、三京エンタープライズ

備考

【コンテストについて】
グローバル社会での活躍を目指す学生たちに腕を磨く機会を提供しようと、2012年に始まった。その年のテーマから一つを選び、それに沿って原稿を作りプレゼンテーションする。1次予選、2次予選を通過した個人・グループが本選に臨む。制限時間は10分以内で、その後、審査員による英語の質疑応答がある。審査項目は、内容(40点)、構成(15点)、口頭発表力(20点)、説得力(15点)、質疑応答(10点)。
 
 【テーマ】
①インバウンドを地方に! 体験型ツアーを提案
②日本の防災・減災ノウハウを世界にアピール!
③海外向けにひと工夫! 製品アイデアを売り込め

第5回受賞者の紹介

最優秀賞

◆紙管の仮設住宅を
佐藤圭(けい)さん(テーマ②)

 最優秀賞を受賞した横浜市立大3年の佐藤圭さんは、3回目の出場で頂点を極めた。テーマに選んだのは、国際的に活躍する建築家、坂茂(ばん・しげる)さんの紙管を用いた建築。被災地の仮設住宅に用いられていることを紹介しながら、日本ならではの防災・減災技術として世界にアピールするプレゼンテーションを画像を効果的に使って行った。

 紙管による仮設住宅の利点を、コスト面の安さ、安全性の高さ、耐久性の観点から説明。「普通の仮設住宅は建設費が240万円、解体費が100万円かかるのに対し、紙管を使えば10万円未満で済む」と訴えた。

 避難所の体育館に紙管の骨組みを作り、カーテン代わりに布をつるせば、プライバシーも確保され、ストレスも軽減される。紙を厚くすることにより、防水、防火面でも問題はないという。

 さらに、阪神大震災後に神戸に建てられた紙管の教会が、解体後に台湾に運ばれ、10年以上たった今も使われていることを紹介。「紙管は再生紙を使うので、森林破壊やダイオキシン放出もなく、環境に優しい」と強調した。

 今回の勝因について佐藤さんは、「英語による質疑応答がこわかった。どこから聞かれても答えられるよう、情報集めに力を入れた」と語った。坂さんが教える大学のゼミの報告会を聞きに行ったり、紙管工場を見学したりするなどして、想定問答を練り上げてきた。的確な受け答えも、審査員から高く評価された。

 大学に進学したが経済的な理由で中退し、働いた後、再び大学で学ぶ佐藤さんは、第3回コンテストで最優秀賞を受賞した太田杏奈さん(横浜市立大)と同級生。一昨年の太田さんの発表を目標にしながら、練習を重ねてきた。「彼女と同じレベルのプレゼンテーションをやっと再現できた。あきらめないでよかった」。ウィーンに留学中の太田さんに受賞を伝えると、「おめでとう」とメールで返信があったという。

優秀賞(個人)

◆中国人誘客で絆
森原佳歩さん(テーマ①)

 個人の部で優秀賞に選ばれた神戸大1年の森原佳歩さんは、中国人観光客の中でも、特にカップルの客をターゲットに、香川県の文化を知るツアーを提案した。

 ツアーを構成するのは二つの「E」。最初の「E」は「Experience(体験)」で、旅行者は香川の特産品のうどんや、うちわ作りを体験する。もう一つの「E」は「Exchange(交換)」で、カップルを事務所に招き、今後、よりよい観光ツアーを作るための意見交換をする。

 森原さんは、このツアーで共同作業をすることで、カップル同士はもちろん、日本人と中国人の絆も強まり、将来的には両国の良好な関係を「Establish(確立する)」できると、三つ目の「E」を使って語りかけた。

 森原さんは小学校時代の1年間を上海で過ごした。「中国には親近感があります。もっと日本と中国が仲良くなれたら、という思いを込めました」と話した。

優秀賞(グループ)

◆ユニーク風呂敷
坂寄妃奈子さん 田島ジョセフ勇気さん(テーマ③)

 グループの部で優秀賞となったのは、青山学院大3年の坂寄妃奈子さんと田島ジョセフ勇気さん。2人は、ゼミの仲間で、消費大国である米国に向けて、風呂敷を使った買い物袋「Wrappi(ラッピ)」を売り込んだ。

 まず、買い物袋として人気の高いエコバッグについて「安いものは石油由来の材料やオーガニックではない綿で作られており、簡単に洗うことが出来ない」と、弱点を指摘。代替品として風呂敷を紹介した。

 ただ風呂敷は包み方を覚えないと使いにくい。その不便さ解消のために提案したのが、面ファスナーとひもをつけ、簡単に買い物袋に変身するラッピだ。

「自分たちにも作れてユニークなものを考えた」と話す坂寄さんらは、ラッピという商品自体を自分たちで作り上げた。ひもを通すアイデアは「ズボンのヒモから思いついた」(田島さん)という。試行錯誤の末、完成品が出来たのは、本番のわずか2週間前。

 英語力はもちろん、日本の風呂敷を、海外向けにアレンジする発想力や風呂敷からペンとパイナップルを出して観客の心をつかんだユーモアが、審査員をうならせた。

インプレッシブ賞

 インプレッシブ賞個人の部の富勘四郎さん(テーマ①)は、関西大3年。大阪市から車で約1時間の千早赤阪村を訪れる、外国人向けの体験型ツアーを提案した。

 村人のスローライフにふれ、身も心も癒やされる旅行を「フルサト・セラピー」と命名。築400年の家屋が並ぶ街並みを散策したり、金剛山の山頂でヨガを体験したりする1泊2日の行程で、料金は2万円と設定した。

「どのようなワードを使えば伝わるか、その吟味に時間をかけた」と富さん。「今度はグループのメンバーと素晴らしい発表を作り上げる体験をしたい」と来年への抱負を語った。

 グループでインプレッシブ賞(テーマ①)を受賞したのは、近畿大4年の澤山未那さんと佐藤穂波さんの2人組。絶妙なかけ合いを披露しながら、新潟であめ細工作りを体験するツアーを売り込んだ。

 見て、作って、食べて、あめ細工を楽しむだけでなく、原料となるもち米作りの体験も組み合わせた。明治時代に建てられた古民家への宿泊や、郷土料理の作り方を教わる教室も含まれ、「旅行者に甘いあめだけでなく、甘い思い出も提供するツアー」と締めくくった。

 澤山さんが「楽しさが伝わることを重視した」と話すと、佐藤さんは「かけ合いでオーディエンスが笑ってくれたのがすごくよかった」と笑顔を見せた。