懸賞論文「現代社会の脅威にいかに立ち向かうか」入選作が決まりました(2016年12月13日)

公益財団法人・公共政策調査会などが「現代社会の脅威にいかに立ち向かうか」をテーマに募集した懸賞論文(読売新聞社など後援)の入選作品が12月12日、決まりました。

 最優秀賞は該当がなく、優秀賞に警察官の安部孝美さん(33)(山口市)と会社員の小野雅博さん(52)(埼玉県朝霞市)の論文が選ばれました。優秀賞論文の要約などは、来年1月中旬の読売新聞に掲載予定です。

 他の入選者は以下の通り(敬称略)。
【佳作】無職・小林公司(神奈川県三浦市)、ジャーナリスト・阿部剛士(さいたま市)、支援学校講師・石橋皓一朗(京都市)

  1. 2015年度の懸賞論文「自転車の安全・安心な利用をどう普及させるか」の最優秀作品はこちら(2.0 MB)

論文要旨と講評

 優秀賞の論文要旨と審査委員による講評を紹介します。(敬称略)

▽「世界に誇れるサイバー空間の治安確保に向けた4E方策」安部孝美(33)山口市 警察官


    •  サイバー犯罪は社会の大きな脅威である。犯罪者側の優位を打ち破るため、英語表記の頭文字に「E」がつく四つの柱からなる方策を提言する。〈1〉〈教育=Education〉特に被害に遭いやすい中高年を重点的にインターネットの安全教育を実施する〈2〉〈法の執行=Enforcement〉犯罪集団のデータベース化など各国の捜査機関が連携する〈3〉〈環境=Environment〉通信記録の保存期間を延長する〈4〉〈調査=Examination〉IoT化など新技術導入に伴う問題点を事前に調べる。

    •  経済の持続的発展と国民が安心して暮らせる社会の実現には、安全なサイバー空間は必要不可欠である。

▽「大地震や津波による被害を最小化するための提言」小野雅博(52)埼玉県朝霞市 会社員


      •  東日本大震災を超える死者数が想定される首都直下地震など大地震は日本の脅威で、人的・経済的被害を最小化する対策をハード、ソフト両面で提言する。

      •  ハード面では、津波と建物倒壊対策が最重要と考え、高台に向かう道路の整備や耐震基準の強化、首都機能の一部移転などを求め、ソフト面では、小中学校の防災教育の充実や「春の防災の日」の新設による意識の向上などを提案する。自治体によるテントの準備は震災関連死の減少に有益だ。国民が平素から命を守る心構えを持っていれば、地震が発生しても被害を抑え、迅速な復興にもつながる。

    講評 宮崎緑・千葉商科大国際教養学部長


        •  最優秀賞は見送ったが、質は高く、甲乙つけがたかった。優秀賞のうち、安部さんは、サイバーテロ対策を、法の執行など英語表記の頭文字に「E」がつく四つの柱でまとめた発想がよく、わかりやすかった。小野さんは、地震や津波の被害を最小化するための提言を、ソフト・ハード両面から要領よくまとめた点が高く評価された。

        •  全体では、一般論に終始して、オリジナルな理論展開とそれを普遍化させる裏付けの伴った論文が少なかった。実体験などの論拠を示して、より説得力のある具体的な提言を期待したい。

    ほかの受賞作品


        • 【佳作】(敬称略)
        • ▽「『世界一安全な日本』を作るために」
        • さいたま市 ジャーナリスト 阿部剛士(40)

        • ▽「情報社会に対応した情報モラルの視点を組み込んだ消費者教育~地域社会と連携した教育活動への提言~」
        • 京都市 支援学校講師 石橋皓一朗(26)

        • ▽「大地震から命を守る減災日本50年計画」
        • 神奈川県三浦市 元中学校教諭 小林公司(75)

          ◆選考委員(敬称略)
           片桐裕(公共政策調査会理事長)、河合潔(警察大学校警察政策研究センター所長)、小島俊郎(共同通信デジタル執行役員リスク対策総合研究所長)、小宮信夫(立正大文学部教授)、斉藤実(警察庁長官官房総括審議官)、原口隆則(読売新聞東京本社社会部長)、坂東真理子(昭和女子大理事長)、藤原静雄(中央大法務研究科教授)、宮崎緑(千葉商科大国際教養学部長)

    (2017年1月20日 読売新聞)