本部長ごあいさつ

南 砂(みなみ・まさご)

調査研究本部は、読売新聞の社内シンクタンクとして1982年に創設され、日本の憲法論議に大きなインパクトを与えた「読売憲法試案」の作成をはじめ、政治、経済、国際問題など各分野の研究プロジェクトに取り組んでまいりました。日中韓の歴史認識の食い違いが問題となった2005年には、日本人自身の手で自らの戦争責任を検証するための「戦争責任検証」プロジェクトを進め、1年間の特集記事をまとめた書籍(日本語、英語版)は、国内外で大きな注目を集め、中国では新華出版社から中国語版も刊行されました。このほか、研究プロジェクトの成果や外部識者の論文を掲載した季刊誌「読売クオータリー」も発行しています。

一方、日本の代表的な企業やシンクタンク、有識者、在日外交官を会員とする非営利のサークル「読売国際経済懇話会(YIES)」(1972年設立)の事務局も調査研究本部に置かれており、国内外のキーパーソンを招いて開く講演会は数を重ねています。さらに、YIESと読売新聞社が共催する読売国際会議や、調査研究本部が実施する各種シンポジウムでは、国内外の著名な識者がパネリストとなって日本の直面する諸問題を分析し、新たな指針を大胆に提示してきました。

1988年に発足したノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「次世代へのメッセージ」は、ノーベル賞受賞者を世界各国から招聘し、大学での講演会などを実施しています。世界の頭脳による科学や文学、平和への深い洞察は、聴講者に感銘を与え続け、高い評価を受けています。

科学技術フォーラム「読売テクノ・フォーラム」も2011年より読売新聞社の直轄組織として新たなスタートを切り、調査研究本部が運営にあたっております。日本の科学技術振興を後押しするため、法人会員の皆さまとともに先端科学の勉強会を重ねたり、公開シンポジウムを開催したりしております。

長い伝統のある中央公論新社の吉野作造賞と読売論壇賞が統合されて2000年に創設された「読売・吉野作造賞」と、国際協力活動に貢献する個人や団体を顕彰する「読売国際協力賞」の選考と表彰を行うのも調査研究本部です。こうした事業を通じて、すぐれた著作を掘り起こし、日本の国際貢献を後押ししていきたいと考えています。

彩な活動を担っているのは、本紙のベテラン記者を中心とする主任研究員に加え、各界トップの識者を集めた客員研究員、顧問の研究活動です。今後も専門性の高いスタッフの連携による調査・研究活動を深め、読売新聞がメディアとして果たすべき責務と役割の一翼を担っていく所存です。ご支援をよろしくお願いいたします。

読売新聞東京本社調査研究本部長
南 砂(みなみ・まさご)