代表ごあいさつ

東日本を巨大地震と大津波が襲い、おおぜいの人がお亡くなりになりました。謹んでお悔やみを申し上げます。そして、津波と、続く原子力発電所の問題で、過酷な避難生活を強いられている被災者の方々に、心からお見舞いを申し上げます。

巨大津波で冷却機能が停止した福島原発の事故は、戦後日本が経験した最大の危機かもしれません。この事故を経て、原子力に対する国民の信頼は大きく揺らいでいるように見えます。しかし、原子力発電は、唯一の被爆国である日本が、核の平和利用の象徴として取り組んできた事業です。巨大津波に耐えられる非常用設備の設置など、今後も原発の安全性の向上に挑み続けていく必要があります。もちろん、原子力を補完する新しいエネルギーの開発も、並行して進めていくべきでありましょう。

エネルギー分野に限らず、科学技術の重要性は一段と増しています。1992年に発足した東京テクノ・フォーラム21は、科学技術立国こそが日本の歩むべき道との認識のもと、最先端の科学技術情報と人の交流の場の提供を事業の柱として参りました。事務局を読売・日本テレビ文化センターに置いておりましたが、2011年4月1日より読売新聞東京本社直轄の組織とし、名前も「読売テクノ・フォーラム」と改めました。他の新聞社にはない事業として、「ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム」や、「読売国際経済懇話会」などとも連動させ、強化に努めて参ります。

大震災からの復興には、巨額の財源が必要となります。日本の産業が地震前の状態に戻るには、何年もかかることでしょう。資源のない日本が、この未曾有の国難を乗り越えるために、科学と技術の英知を結集し、新たな成長の源を創造していかねばならないと強く感じております。

生まれ変わったテクノ・フォーラムに一層のお力添えをたまわりますよう、お願い申し上げます。

読売テクノ・フォーラム代表
老川祥一