小林喜光 経済同友会代表幹事企業の不祥事続出に警鐘

経済同友会の小林喜光代表幹事は10月30日、東京・内幸町の帝国ホテル東京で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演した。神戸製鋼所や日産自動車など日本を代表する企業の不祥事が相次いでいることに関連し、「トップが覚悟を決めて、『企業は法令順守や保全、保安が全てなんだ』と日々言い続けないとダメだ」と警鐘を鳴らした。  

小林氏は、日本企業のコーポレートガバナンス(企業統治)について、東証1部上場企業の90%近くが2人以上の社外取締役を選任する一方で、不祥事が後を絶たない点を問題視し、「どういう形で魂を入れていくかという時代になっている」と指摘した。

衆院選で与党が勝利したことにも触れ、「今、改革ができなかったら永遠にできない。安倍首相は強いリーダーシップをもって行動してほしい」と述べた。その上で、財政健全化や社会保障改革、規制改革などに取り組むよう求めた。

安倍首相が教育無償化などの費用として3000億円を経済界に負担するよう求めたことに対しては「十分対応できる」と述べ、前向きな姿勢を示した。

小林喜光代表幹事
講演する小林喜光・経済同友会代表幹事(10月30日、東京都千代田区で)

小林喜光代表幹事の講演要旨

【日本経済】日本企業は、この4、5年で、かなり純利益が増えている。株価も順調に推移している。この先、これをどう持続可能な状態につなげていくかが課題になる。ベンチャー企業など、活力ある新しいビジネスを生む力が落ちていることは問題だ。(2020年の)東京五輪・パラリンピックまでは、(日本経済は)元気だろうが、団塊の世代が70歳を超え、社会保障が立ちゆかなくなる中で、どういう準備が必要か議論すべきだ。

【企業の不祥事】企業で不祥事やコンプライアンス(法令順守)の問題が起こっている。トップが覚悟を決めて、企業はコンプライアンスや保全、保安が全てなんだと日々言い続けないとダメだ。

 日本のコーポレートガバナンス(企業統治)は第2次安倍政権になって以降、(改革の)効果が出てきた。今では東証1部上場企業の90%近くで2人以上の社外取締役がいる。どういう形で魂を入れていくかという時代になってきている。

【政権への要望】(課題は)外交の長期的な持続可能性、財政、社会保障、規制改革などだ。他国と比較して政権が安定している。今、改革ができなかったら、永遠にできない。首相は今までできなかったことを議論の場に出して、強いリーダーシップで行動してもらいたい。

 基礎的財政収支の黒字化の達成は、20年は明らかに不可能だが、25年までにどういう時間軸で対応していくのか、もう少し明確にすべき時期が来ている。

(2017年10月31日 読売新聞)