読売新聞が群馬大病院報道、印刷技術で新聞協会賞を受賞しました

日本新聞協会は2015年度の新聞協会賞を発表しました。

 優れた報道に贈られる編集部門では、読売新聞東京本社・群馬大手術死問題取材班(代表=高梨ゆき子・医療部主任)の「群馬大病院での腹腔鏡(ふくくうきょう)手術をめぐる一連の特報」など4件が受賞しました。本社は技術部門でも、「新聞用完全無処理CTPプレートの開発と実用化」(代表=坂本剛志・制作局技術二部員)が選ばれました。

 群馬大病院を巡る本紙の報道は、高難度で保険適用外の腹腔鏡を使う肝臓切除手術を受けた患者が3年半の間に8人死亡していた事実を昨年11月14日朝刊で報じたのを手始めに、数々のスクープを重ねたものです。

 群馬大病院の事例を通して、患者へのインフォームド・コンセント(説明と同意)、新しい技術と医療倫理、不透明な保険請求など、現代医療が抱える課題を浮き彫りにしました。

 同協会は授賞理由について「閉鎖的な医療現場の壁を丹念な取材で突き崩し、先端医療をめぐる問題を明らかにした調査報道」とし、「社会に大きな影響を与えたスクープだ」と評価しました。

 本社は技術部門でも、「新聞用完全無処理CTPプレートの開発と実用化」(代表=坂本剛志・制作局技術二部員)が選ばれました。

 新聞を印刷するため、ハンコの役割を持たせた厚さ約0.3ミリのアルミ板(刷版)を作る過程で、現像廃液を出さずに現像する技術です。富士フイルムなどと協力して実用化しました。

 従来の方式ではまず、光を当てると固まる物質(感光層)が塗ってあるアルミ板に、レーザー光で文字や図柄を描きます。その後、現像液で感光層を洗い流すと、光で固められた文字や図柄の部分だけが流されずに残り、文字や図柄を印刷できます。

 新方式では、現像液で洗わなくても、感光層の光が当たっていない部分がインキとともに新聞に吸着して刷版からはがれるように、感光層を改良しました。現像液を使わないので、現像廃液も排出されません。

 同協会は授賞理由について「新聞社の知見を生かして技術的な課題を克服し、業界の主流となり得る技術を切り開いて実用化に結びつけた」と評価しています。

群馬大病院での腹腔鏡(ふくくうきょう)手術をめぐる一連の特報を掲載した紙面
群馬大病院での腹腔鏡(ふくくうきょう)手術をめぐる一連の特報を掲載した紙面
新聞印刷に使う無処理版CTPプレート
新聞印刷に使う無処理版CTPプレート