読売新聞の連載小説・漫画
連載小説
読売新聞は、実力派や気鋭の作家の書き下ろし小説を朝夕刊で連載しています。
連載中の小説は、読売新聞オンラインにも公開中(※読者会員限定)
現在の朝刊の連載小説は、木内昇さんの「惣十郎浮世始末」。
江戸時代末期を舞台にした哀歓に満ちた物語。事件の謎を解きながら、激動の時代を生きた市井の人々の姿を浮かび上がらせます。挿絵は、映画化もされた『海獣の子供』で知られる漫画家、五十嵐大介さんです。
夕刊では、柴崎友香さんの「遠くまで歩く」を連載中。
現代文学の第一線で活躍する女性作家による、コロナ禍を経た今の社会を舞台にした物語です。様々な街で暮らす人々の息遣いを伝えます。挿絵はイラストレーターの出口瀬々さんです。
~読売新聞連載小説の歴史~
明治期は、言文一致の先駆的な作品とされた山田美妙の「武蔵野」を連載するなど文学新聞として名をはせ、尾崎紅葉の「金色夜叉」も熱狂的な人気を集めました。
昭和期には吉川英治「太閤記」や松本清張「砂の器」などの歴史的名作を連載。近年も、ベストセラーとなった角田光代さんの「八日目の蝉」や松浦寿輝さんの「川の光」、町田康さんの「告白」(谷崎潤一郎賞)など、文学性の高い作品を生み出しています。


<作者の言葉>
- 木内昇さん
- 「惣十郎浮世始末」
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江戸の同心の中で、町人と接点の深い定町廻(じょうまちまわり)の「服部惣十郎」が主人公の捕物帳です。とはいえミステリー的な謎解きというよりも、そこにまつわる人々の人情や人生模様が描かれる予定です。
江戸は独特の考え方やスタイルがありながら、私たちが生きている世界と全く別次元のファンタジーではなく、現代につながるものもある時代。皆さんが物語世界を身近に感じ、登場人物たちと一緒に過ごせる作品を描ければと思っています。
- 柴崎友香さん
- 「遠くまで歩く」
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本を読んでいると、そこに書かれていることが、今の自分の思いや行動に重なることがあります。自分の人生の行く先は歩いてみないとわからず不安や迷いの連続ですが、誰かが歩いた跡を見つけて心強く思うことも多いです。
人と会って話す機会が減った日々を経て、話を聞くことや記憶をたどることで自分以外の誰かの人生や経験、遠いと思っていた出来事を想像する重みを痛感するようになりました。いろんな人の声を聞くように書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
漫画
朝刊社会面に毎日連載され、「朝の顔」になっているのが、植田まさしさんの「コボちゃん」です。連載開始は、1982年(昭和57年)。読売新聞の歴代漫画で随一の長寿作品となっています。
連載1万回に達した2010年6月14日には、主人公・コボちゃんの妹・ミホちゃんが誕生し、一層にぎやかになりました。2021年1月7日の掲載で、通算1万3750回となり、一般全国紙の連載漫画として最多記録を達成しました。
夕刊社会面は、2012年から唐沢なをきさんの「オフィス ケン太」を連載しています。IT企業で社員を癒す「オフィス犬」の役目を果たす、柴犬のケン太が主人公です。
日曜版は、そにしけんじさんの「猫ピッチャー」を13年から連載。プロ野球初の猫投手という設定の主人公・ミー太郎のかわいらしさが評判になり、アニメ化やキャラクターグッズの制作も行われています。「コボちゃん」と「オフィス ケン太」は4コマ漫画ですが、「猫ピッチャー」は23コマとワイドです。
歴代の連載漫画には、秋好馨「轟先生」(1949~73年)、鈴木義司「サンワリ君」(1966~2004年)、けらえいこ「あたしンち」(1994~2012年)などがあります。コボちゃんに次ぐ長期連載は、「サンワリ君」の1万1240回です。


