読売行動指針
2024年の創刊150周年を機に、読売新聞グループで働く全ての人の羅針盤となる「読売行動指針」を策定しました。ネット社会の発展で真偽不明の情報が氾濫する中、真実を伝える報道はもとより、事業全般を通じて民主主義の発展に寄与するという読売新聞の存在意義を再確認するのが狙いです。
24年4月1日に「読売行動指針推進委員会」が発足し、読売新聞の発行3社(東京・大阪・西部本社)の各部局やグループ会社からの出向者より推進委員に選出された若手・中堅社員たちが「読売行動指針」を読売新聞グループに広く浸透させる活動をしています。
- 11の価値観を抽出。「挑戦」「信頼」「謙虚」を最上位として軸に置く
- 「誠実」「敬意」「自律」「つながり」「相互理解」「好奇心」「自己成長」「公私の調和」も体現していく
「読売行動指針」推進の主な取り組み
対話
推進委員たちは、職場を訪問して行動指針や日頃の仕事に関して対話する「車座」を始め、様々な部署の社員が集まってコーヒーを片手に語らう部局間交流会(通称:お茶会)など、部局を超えた対話の機会をつくっています。
業務で接する機会の少ない部署同士の社員が互いの仕事を紹介しあったり、テーマを決めて集まった社員が自由にアイデアを話し合ったりする場になっています。また、推進委員が各本社の地方総支局に出向いて、取材や営業で奮闘する社員の生の声を聴き、意見を交わす場も開いています。
お茶会に参加した社員からは「他部局との交流は、会社をより良く知り、自分の働き方を振り返る上で有意義だ」「多様な価値観や高い視座を持つことができる良い機会になった」などの声が寄せられています。
研修
新入社員研修、チームリーダー研修、部長級研修など、年間を通して実施される各種階層別研修の場で、参加した社員に「My行動指針」をつくってもらうワークショップ型のプログラムを実施し、推進委員がファシリテーションをしています。
社員たちはグループに分かれて、自分の経験を語り合い、仕事をする上で大切にしてきた価値観や初心を振り返ることで、読売行動指針の理念とつながる部分を見つけながら、オリジナルの「My行動指針」を書きます。My行動指針を参加者同士で共有することで、お互いを理解し、志や絆を深める機会にもなっています。
広報
社内に掲示・配布する号外紙面や、社員用ポータルサイトで情報を伝え、読売行動指針の「共感の輪」を広げています。
広報活動の核となるのが、A3判の号外紙面「読売行動指針NEWS」の発行です。ビジュアル重視のカラー紙面で、部局間交流会や「My行動指針」プログラムといった推進委員会の活動、新規事業を先導する社員へのインタビュー、全社員対象のアンケート調査の結果などを紹介してきました。
紙面は推進委員が社内で配布するほか、東京、大阪、西部3本社と支社・地方総支局の休憩室などに掲示。社員用ポータルサイトや全社員向けのメールマガジンでも各種イベントの告知や活動内容を発信し、社員に親しみを持ってもらう工夫を重ねています。
「読売行動指針」策定の過程
2024年11月の創刊150周年に向け、読売新聞社では全社員の羅針盤となる「行動指針」を作ることになりました。策定委員会を発足させ、メンバーには東京、大阪、西部3本社の若手、中堅社員14人を選抜。社の150年の歩みを学びつつ、次世代が希望を持てる指針を作ろうと活発な議論を交わしました。
読売新聞には報道・言論の進むべき方向を定めた「読売信条」があります。毎年元日の紙面に掲載される読者との約束です。記者向けには日常の取材・報道活動で実践すべき職業倫理を記した「記者行動規範」もあります。
しかし、読売で働くのは新聞発行に従事する人ばかりではありません。読売新聞は人々の心を豊かにする様々なビジネスを展開しており、その比重は年々増しています。さらにネット上に飛び交う虚実ない交ぜの情報や、生成AI(人工知能)が作る真実性を欠く言説が現実世界を侵食するなど、ニュースを取り巻く環境も激変しています。
このような状況下で、公平・公正な報道で民主主義を支え、人々の笑顔のために読売で働く全ての人の「よりどころ」になるものが必要だ、というのが行動指針作りの始まりでした。
23年2月に発足した策定委員会では定期的にメンバーが集まり、仕事への価値観や読売の社会的使命などについて深く議論しました。山口寿一グループ本社社長から受けた社の歴史や読売信条についての講義では、(1)公共の精神、挑戦の精神、先見性が創業時から貫かれている(2)人間の英知で最善の解を求める中庸・中道の精神を大切にしている(3)自律の尊重が真の自由につながる――ことなどを学びました。
行動指針や企業理念を作った経験がある商社や電力会社などに協力を求め、策定作業の進め方についてヒントをもらいました。社員を鼓舞し、浸透する指針を作るには一人ひとりの声を聞くことが必要だと考え、全社員へのアンケートを実施しました。
2000人超の回答では、若手からベテランまで多くの社員が、「社会貢献」「読者のため」といったことを仕事のモチベーションにしていることが分かりました。アンケートに合わせ、3本社の役員にも「大切にしている価値観」などをインタビューしました。共通したのは「誠実」「真摯な姿勢」「読者や社会のため」といった言葉でした。今後も変えてはならない読売の「魂」を再確認しました。
検討を重ねた末、策定委員のメンバーが23年9月に読売新聞の目指すべき姿として打ち出したのが「新聞社を超える新聞社」というビジョンです。その実現に向けアンケート結果などから11の「価値観」を抽出しました。
中でも「信頼」「挑戦」「謙虚」を最重要の価値観と位置づけました。歴史に裏打ちされた「信頼」を担保し、創業時から貫く「挑戦」の精神は持ち続けたい。激変する時代に民主主義を支える役割を全うするには「謙虚」であるべきと考えたからです。
これらの価値観を体現する言葉を紡いで完成したのが行動指針です。新しいビジョンと11の価値観を、前文と6項目の指針に整理しています。11月の社内承認を経て、1月6日付の読売新聞紙面に掲載しました。
難局を乗り越え、読売新聞のバトンを未来につなぐため、全社員の心に火をともす指針になってほしいとの願いが込められています。