環境のために

1.環境負荷低減の取り組み

環境方針

地球環境の保全は、人類共通の最も重要な課題であることはいうまでもありません。読売新聞東京本社、大阪本社、西部本社では、この課題に対し、報道機関として記事発信等を通じて前向きに取り組んできました。今後も積極的に推進していきます。各本社は事業活動として、国内で新聞の編集、制作、販売等を行っておりますが、その活動がもたらす環境への負荷を低減するため、次に掲げる基本方針に基づき、環境保全活動を組織を挙げて継続的に進め、地球環境との調和を目指します。

  1. 環境保全活動の継続的改善を図るため、社内に推進委員会を組織します。
  2. 当社の事業活動が環境に及ぼす影響をとらえ、環境管理システムを確立。負荷低減のための目的・目標を定めて実行し、見直しを進めながら継続的に改善します。
  3. 当社の事業活動にかかわる環境影響のうち、次の項目を環境管理重点テーマとし、目的・目標を設定して取り組みます。
    1. 電力消費量の削減を中心とした温室効果ガスの排出削減
    2. 事務用紙の削減
    3. 廃棄物の適正分別と再生資源化
    4. 環境保全に資する記事・広告の掲載、イベント等の実施及び支援
  4. 当社の事業活動にかかわる環境関連法規及びその他の要求事項を順守します。
  5. 一人ひとりが環境汚染予防、環境負荷低減活動を積極的に実践できるよう、この環境方針を全社員及び当社のために働く人々に周知するとともに一般の人々にも公表します。

省エネルギー対策

読売新聞社は、東京、大阪、西部の各本社、支社、支局、通信部で節電を励行するとともに、印刷工場でも輪転機をエネルギー効率の良い最新型に順次更新するなどして、エネルギー使用量の削減に取り組んでいます。エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネルギー法)に基づいて、国に報告しているエネルギー消費原単位は、法が求める努力目標である対前年度比1%以上改善(対前年度比99%以下)を5年連続でクリアしています。2014年度は対前年度比3・4%改善となっており、10年度と比べると17%も改善されています。

  • エネルギー消費原単位とは、電気、ガス、冷水・蒸気、重油など企業活動で使用したエネルギーを原油ベースに換算したうえで、活動拠点すべての建物の延床面積で割り、エネルギー効率を示す指標。
東京本社のエネルギー消費原単位の推移
東京本社のエネルギー消費原単位の推移

読売新聞ビルの環境対策

14年1月に開業した東京・大手町の読売新聞ビルは最新の省エネルギー設備を備え、エネルギー使用の抑制に取り組んでいます。執務フロアの照明器具はすべて消費電力の少ないLED(発光ダイオード)です。照明は人感センサーで制御し、人がいなくなると自動で消灯するため、終業後は残業している社員の机周辺のみを照らしています。

空調も同様に人感センサーで制御していて、フロアの区画ごとに室温を感知しながら風量を調整しています。空調需要が高まる夏場の日中に急激に電力使用量が増えないように、空調に利用する冷水を夜間のうちに製造して貯めておき、ピーク時間帯の日中に使用する夜間蓄熱方式を採用しています。屋上には太陽光パネルを設置し、発電した電気をビル内で利用するなど再生可能エネルギーの活用にも取り組んでいます。

ヒートアイランド現象対策として、読売新聞ビルの低層部分に設けた屋上庭園(広さ561.3平方メートル)
ヒートアイランド現象対策として、読売新聞ビルの低層部分に設けた屋上庭園(広さ561.3平方メートル)

印刷工場での取り組み

読売新聞を印刷する30工場のうち、東京本社や大阪本社が100%出資する江東、府中、東京北、横浜、大阪、高石の6工場では、①環境処理システムを確立し、継続的に改善する②環境関連法規等を順守し、汚染予防に努力する③新聞用紙の節減、電力消費の削減、廃棄物の再資源化、事務用品の適正使用を重点テーマとして取り組む――ことなどを、環境方針に定めています。

環境に優しい印刷技術の開発

読売新聞社は、新聞の製版工程で環境負荷を減らすための技術開発に成功しています。従来の製版工程では、光を当てると固まる性質の材料(感光層)が塗られたアルミ版(刷版)にレーザー光で文字や図柄を描き、現像液で感光層を洗い流すと、光で固められた文字や図柄の部分だけが流されずに残ります。こうして出来た刷版を輪転機に装着し、文字や図柄の部分がハンコの凸面の役割を果たして印刷が可能になります。

東京本社制作局が富士フイルムの協力で実用化した新方式は、現像液で洗い流す現像工程を省略し、光で固められていない感光層は、インキとともに新聞用紙に吸着して刷版からはがす方法です。この技術は、新聞以外の印刷では既に実用化されていますが、新聞印刷への応用は難しいと言われていたものです。現像液の不使用により、廃液が出なくなります。環境にやさしいこの技術は、15年度新聞協会賞技術部門を受賞しています。

現像液を使わずに製版した印刷用のアルミ版(左)と、従来のアルミ版
現像液を使わずに製版した印刷用のアルミ版(左)と、従来のアルミ版

2.資源保護の取り組み

古紙回収・植樹活動

新聞は「リサイクルの優等生」です。読売新聞には、古紙混入率が約7割の新聞用紙が使用されています。多くの読売新聞販売店は読者の要望に応え、古紙回収を行っています。1972年(昭和47年)にまず数店が回収をはじめ、現在、東京本社管内の回収量は月間2万1806t(2015年4月現在)に上ります。

2013年からは、東京本社と読売新聞販売店、古紙回収業者で作る「読売リサイクルネットワーク」が、古紙回収の売上げの一部を認定NPO法人「環境リレーションズ研究所」(東京)の植樹活動に寄付し、「読売の森」を育てる事業を始めました。岩手県宮古市と山梨県甲斐市で広葉樹の苗木の植樹を行っており、今後もエリアを拡大していきます。

山梨県甲斐市の「読売の森」での植樹の様子
山梨県甲斐市の「読売の森」での植樹の様子(2015年5月)

フリーマーケット

「よみうりリサイクルカーニバル」は、東京本社と埼玉県連合読売会が「もう一度生かそう限りある資源」をテーマに、埼玉県所沢市で年1回開いている国内最大級のフリーマーケットです。不要になった日用品や衣類などを家族で売る店や、企業、福祉関係のブースなど、約1000店が会場に並び、来場者は毎回10万~20万人台に上ります。主催する埼玉県連合読売会は、リサイクル意識の向上などに貢献したとして、09年に日本新聞協会の「地域貢献賞」を受賞しています。

3.環境啓発活動

読売新聞社は、様々な環境啓発活動を行っています。

クリーン平成百景

「クリーン平成百景」は、読売新聞社が2009年に認定した「平成百景」の地で、ごみ拾いや植栽などを行う活動です。読者を中心に参加者を募り、10年から実施しています。このうち、さいたま市の鉄道博物館では11年から「クリーン平成百景てっぱく」を毎年実施し、親子連れなどが展示車両の清掃などに取り組んでいます。

鉄道博物館での展示車両の清掃
鉄道博物館での展示車両の清掃

スマートライフ企画(未来貢献プロジェクト)

エネルギーを効率的に利用する暮らし方である「スマートライフ」の推進に取り組んでいます。家電メーカーや家電販売店、消費者団体などで組織する「スマートライフジャパン推進フォーラム」と連携し、省エネをはじめ、太陽光発電などでの「創エネ」、発電したエネルギーを蓄える「蓄エネ」などの方法について、小学生にも分かりやすいように出前授業を企画。セミナーや展示会なども実施し、普及に努めました。

伝えよう!地球温暖化 プロジェクトフォーラム

「伝えよう!地球温暖化」プロジェクトフォーラムは、身近なテーマで地球温暖化(気候変動)問題を考える取り組みです。15年2月には、「地球温暖化と食」をテーマに、温暖化が食に与える影響や、家庭でも取り組める温暖化対策を紹介するフォーラムを開催しました。

GIANTS eco(エコ)ナイター

読売新聞社と読売巨人軍は「世界環境デー」の6月5日にあわせ、「GIANTS eco(エコ)ナイター」を開催しています。試合時間を短縮して、二酸化炭素など温室効果ガスの削減に取り組んだり、節電の大切さを訴えたりしています。15年は6月4日に行われ、再生プラスチックでできた「グリーンうちわ」や、選手が試合中に着用した「グリーンリストバンド」をファンにプレゼントしました。